ラ コリーナ近江八幡〜滋賀の一日ドライブ旅

2023年も残りあとわずか。今年もウェブ版 HoCoToを応援いただきありがとうございました。
秋晴れの10月末に訪れた滋賀方面が印象深かったので、今年の締めくくりに記録としてまとめました。どうぞお付き合いください。

愛車スズキ Swift号
ツートーンカラーと
ホイールデザインがお気に入り
目次

まずは三井アウトレットパーク竜王へ

行き先を滋賀に決めた理由は大きく2つ。
ひとつはマスターが以前から湖が好きで、ここ10年くらい琵琶湖に興味が湧いていること。ふたつめに近江八幡のラ コリーナに行きたいと思っていたこと。こちらは建築的な興味に加え、私が「たねや」「クラブハリエ」商品のファンであることも大きな理由です。

日本一の湖を有する滋賀は大きく6つのエリアに分けられます。琵琶湖を中心として西側が「湖西」、南側には「比叡山・大津・草津」、東側には城下町の面影を残す「近江八幡」「彦根」「長浜」、そして湖から離れて三重や京都と隣接する「信楽」の6つ。そのなかで私たちが今回クルマを走らせたのは「近江八幡」方面です。

ガイドブック
『ココミル 滋賀びわ湖』より
( JTBパブリッシング )

西宮ICから名神高速に乗り、竜王ICで降りてまずは「三井アウトレットパーク滋賀竜王」へ。
アウトレットはウインドーショッピングを楽しむもよし、フードコートでごはんを食べるもよし。開放的な雰囲気が好きでカフェ時代から気分転換に出かけていたのですが、最寄りの神戸・垂水にある三井アウトレットが改装中で閉鎖中のため、滋賀の竜王にもあることを知って寄ってみることにしたのです。

高速道路からアクセス抜群
周辺は自然に囲まれている
この時はサクラの紅葉がピーク

この日は平日でしたが、駐車場にはたくさんの滋賀と京都ナンバーのクルマがずらり(地元で愛されてる証拠)。ドッグランが併設されて館内の一部はペットもOKということで、たくさんのワンちゃんにも出会えました。広々した施設内は1・2階の南モールと3階の北モールに分かれ、2階にある『竜王ダイニング』と名付けられたフードコートはなかなか魅力的なラインナップ。ちょうどお昼時だったのでここでランチをいただくことに。

屋外の遊具やドッグランも充実
三井アウトレットパーク滋賀竜王
情報はこちらから↓
https://mitsui-shopping-park.com/mop/shiga/

どれにしようかフードコート内を見渡して、マスターは『鶏料理ほっこりや』の炭火で炙った親子丼セット、私は『祇園八咫かつふく』の京とんかつ&ミンチかつのセットをチョイス。テラス席で飼い主さんと食事タイムを共にするゴールデンレトリバーと何度も目が合い、うちで留守番のるい(ネコ)もこうして一緒に外出できるといいのになぁと思ってしまいました(リードをつけてアウトドアを楽しめるネコちゃんもいるようですが・・・?)。

ラ コリーナ近江八幡に到着

駐車場からみた外観は
なだらかな稜線を描く八幡山を背景に
自然と一体化している

アウトレットでお腹も心も満たされ、次に向かったのが滋賀を代表する菓子ファクトリー「たねやグループ」が運営する『ラ コリーナ近江八幡』。
ラコリーナ(La Collina)とはイタリア語で「丘」を意味する言葉で、世界的建築家・デザイナーのミケーレ・デ・ルッキ氏がプロジェクト視察のためにこの地を訪れ、八幡山から連なる丘をみて命名したそうです。その後、2013年に竣工、2015年にメインショップがオープン、2016年には本社が移転。その後も新しい工房やショップが誕生し、今なお建設中のプロジェクトもあるなど、長い年月をかけて人と自然が共存する場所を作り続けておられます。

ここをくぐれば
ラ コリーナの創り出す世界に
一瞬にして心奪われる
メインショップ手前には
オカメザサが生い茂り
迷路のように広がる

草屋根のメインショップをくぐると、「たねや」(明治5年創業)や「クラブハリエ」(昭和26年誕生)の魅力的な商品が出迎えてくれます。手づくり最中「ふくみ天平」や栗まんじゅう、お馴染みの箱に入った黄金色のバームクーヘンやカステラ。2階カフェメニューの ”生どらケーキセット”が目に入り、さっそく休憩したくなりましたがここはぐっと堪えて先に進みます。

すると下の写真のような地図が表示され、近江八幡の自然と融合したラ コリーナワールドが出迎えてくれます。右回りにカステラショップ、本社(一般見学は不可)、バームファクトリー、棚田、ギフトショップにフードコート。それぞれに個性豊かな建物で、中央部分には”ラコリーナのへそ”と呼ばれる円形広場。そこに佇んで深呼吸しながら景色を存分に楽しむと、空が青く、緑は美しい。他にはないここだけの景色に心奪われてしばらく放心。

館内に展示されていたマップ
最新情報はこちらから↓
https://taneya.jp/la_collina/
”ラ コリーナのへそ”と呼ばれる
中心部分から眺めた
メインショップとカステラショップ


そろそろコーヒーを飲みたくなったので、2023年1月にオープンしたばかりの「バームファクトリー」に入り、2階のカフェで焼きたての温かいミニバームクーヘンとホットコーヒーのセットを味わいました。先に注文してお金を支払い、レシートを持ってカウンターで受け取る仕組み。接客もやわらかく、人々が集う円形劇場のようにデザインされた空間で光を感じながらめいめいに好きな場所でお茶を楽しむ。ずっとここに居たい、そう思える豊かな時間でした。

2023年1月にオープンしたばかりの
バームファクトリー2階カフェにて
「焼きたてバームクーヘンminiセット」

カフェタイムのあとはゆっくりと散策。草屋根で自然と共生したメインショップがあると思えば、ガラリと雰囲気を変えてヴィンテージの2階建バスや自動車を利用した倉庫風のフードコートやギフトショップもあり、大人も子どもも楽しめる工夫があちらこちらに。滋賀県が発祥とされる飛び出し注意の看板「とび太くん」もパティシエの服装で登場。豊かで、静かで、人に優しい風土だからこそ、この空間が生まれたんだなと思わせてくれる”特別な場所”でした。

琵琶湖畔を走って帰路に着く

ラ コリーナを満喫してお土産のバームクーヘンも買ったので、日が暮れる前に琵琶湖を見たくてクルマを走らせました。
マスター曰く、琵琶湖に興味を持ったのはここ10年くらいで、きっかけは『元気をもらう神社旅行』という本。そのなかの、琵琶湖は淡路島とそっくりの形をしており、淡路の伊弉諾神宮と滋賀の多賀大社が位置的に対応しているという記述を面白いと思ったのだとか。その後、池澤夏樹さんや梨木香歩さんのエッセイで琵琶湖に出会うたびに、その興味がだんだん深まってきたのだそうです。
(池澤夏樹『うつくしい列島』には琵琶湖について短いながらスケールの大きな考察があり、梨木香歩『水辺にて』には雪の琵琶湖をカヤックで漂う印象的なくだりがあります。梨木さんはかつて琵琶湖の近くに住んでおられたようです)

また、近江八幡はヴォーリズ建築が多いことでも有名。この地を気に入り、83歳までご家族と暮らしていた家が現在は『ヴォーリズ記念館』として一般公開されています。保存会の活動により、郵便局や旧伊庭家住宅、旧忠田邸など、光と風を取り入れたヴォーリズの建物が見学できるので、日を改めてゆっくり訪れたいと思っています。

沖島町あたりの湖畔の道から
湖と比良山系を眺める

いま懸念されているのは、雨が少ない影響で琵琶湖の水位が例年よりも大幅に低く、12月27日の時点でマイナス76センチとのこと。このまま減り続けると滋賀・京都・大阪・兵庫の人々の暮らしに取水制限などの影響が出ることも懸念されています。貴重な水源を大切に使おうとの呼びかけも夏頃からはじまっているようですが、これは「自然と共存し、連綿とつづいてきた人のいとなみを、次の世代に伝えていく」という 『ラ コリーナ近江八幡』の精神にも通じることです。

さまざまな思いを胸に、沖島町あたりの湖畔の道から湖と比良山系を眺めてそのうつくしさを心に刻み、行きと同じく竜王ICから名神高速に乗って西宮ICに到着。以上、神戸から滋賀へ往復8時間のドライブ旅でした。

今年もお世話になりました
(家ねこ・るい)


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[ 2023年12月末 ホコトマネージャー記 ]

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