こんにちは、BricoLageです。
3月になりました。2週間後には二十四節気のひとつ「春分」、昼と夜が同じ長さになる日。これから昼の時間がすこしずつ長くなっていきます。
春の訪れとともに、土の中に閉じこもっていた虫たちが出てくるように、家に閉じこもっていたわたしたちもどこかへ出かけたり、なにか新しいことを始めたくなりますね。
それはそうと、今年の冬は日本列島が数年に一度の大寒波に見舞われ、とても寒い日が多かった1~2月。わたしが暮らしている神戸でも、積もりはしないものの雪の降る日が例年より多く、六甲山系から吹き降ろす六甲颪が強い日は、外へ出かけるのがおっくうに。ちょうど、HoCoTo のウェブサイト3周年を記念したポストカードを依頼されていたので、そんな日は部屋の中でカード制作をして過ごしました。
友人からもイベントで販売するカードを依頼されていて、引き続き制作しているところ。手を動かしているとアイデアがむくむくと浮かんできて、あんなカードも······こんなカードも······と、わくわくしながらすきなことに夢中になれるのは、なによりもたのしい時間です。
今回は、わたしがカード制作をするようになったいきさつを、古い記憶をたどりながらおはなししたいと思います。

ファブリックテープ
カラーコピーした仏字新聞
映画のチラシなどでつくったカード
そもそも、わたしが紙でモノをつくることがすきになったきっかけは、幼稚園児の頃にさかのぼります。
ある日、クラスでレストランごっこをするために、メニューのカレーなどつくっていたときのこと。平面的なわたしたちのモノと違い、先生がつくったコーヒーは立体的。のりやテープを使用せず、立ち上がっているコーヒーカップを見て、「すごーい、ひらひらの紙が立ってる!」とびっくり仰天。この出来事は今でも鮮明に覚えていて、紙っておもしろいなぁ、いろんなことができるんだなぁ······と。これが原点です。

カップを差し込めば立ち上がるコーヒーカップ
思いだしてつくってみました
そして小学生になると、お菓子の空き箱などつかって、リカちゃん人形で遊ぶときの家具のほか、レターラックや小物入れなどつくり、とにかく紙を切ったり貼ったり手づくりすることがだいすきでした。
中学生のときには、美術の時間に飛び出すカード(今はポップアップカードといいますね)をつくりました。クラス全員の作品を展示、人気投票をしたところ、わたしの「ひなまつりカード」がなんと第3位に。予想外の展開にびっくりするやら、うれしいやら······。
このときから、年賀状やバースデーカード・クリスマスカードなど、手づくりするたのしさに目覚めた気がします。販売されている商品のなかに買いたいものがなければ、「自分でつくっちゃおう!」と。
もちろん大人になった今も続いていて、友人や友人のお母さんがひそかに毎年年賀状をたのしみにしてくれていることも励みになっています。
さらに大人になってからは、東京で暮らしていた30代のとき、世田谷ものづくり学校の「スクーリング・パッド」という大人のための学校で出会った仲間が始めたカフェで、お菓子をテーマにイベントをしたことがあります。お菓子づくりが得意な一人がつくるクッキーをつかった展示用コラボカードのほか、販売用グリーティングカードの制作をわたしが担当。自分がつくったものを販売するのははじめてなので、「買ってくれる人はいるのかな······」と不安だったものの、すべてのカードが旅立っていくといううれしい経験をしました。

グリーティングカード、コラボカードのほか
展示用に段ボール、洋雑誌カラーページで
オペラやタルトもつくりました
世田谷ものづくり学校では、週末さまざまなイベントが開催され、あるとき「紙でCDケースをつくるワークショップ」に参加。このワークショップで講師をされていた製本家 都築晶絵さんから製本教室をはじめると聞き、紙にまつわることがすきなわたしは興味津々。迷うことなく、この製本教室に通うことに。フランスで手製本と出会い、スイスの製本専門学校で学ばれたシンプルでモダンな製本技術を教わりながら、「竹尾」のいろいろな紙からすきなものを選んでつくりました。たのしかった記憶とともに、今でも大切にしています。

つくりかた、サイズもいろいろ

赤の留め糸に合わせ
中には赤いフランスの切手やラベルなど
「赤いモノ」をあつめた掌にのる蛇腹折りノート
40代になってからは、友人の店で販売していた「fog linen work」ファブリックテープをつかって、ポストカードやクリスマスカードを制作・販売するように。
このクリスマスカードをHoCoToマネージャーhanaさんが気に入ってくださったことから、HoCoToウェブサイトで販売するミニノートやグリーティングカードも制作させていただきました。

わたしがファブリックテープでHoCoToロゴを
カードを手づくりするようになってから、お菓子などのパッケージ、デザインがすてきなチラシやラベルなど「これはつかえるかも」と、なかなか捨てられずに収集してきたら、つかいきれないほど増えてしまいました。だけど、これだけは断捨離できないんですよね······。

商品タグやラベル、旅先でみつけたモノ
一つひとつに想い出が
つい最近読み終えた『自分の中に毒を持て』岡本太郎/著(青春出版社)のなかで、「手づくり」について触れている箇所がありました。
《手づくり、手で作るというのは、実は手先ではなく、心で作るのだ。生活の中で、自分で情報をそこにつぎ込んで、ものを作る。楽しみ、解放感、そして何か冒険、つまりうまくいかないのではないか、失敗するかもしれない、等々いささかの不安をのり越えながら作る。そこに生きている夢、生活感のドラマがこめられている。心が参加して、なまなましく働いていることが手づくりの本質だと言いたい。》と語られています。
そうそう、そのとおり。よく分かります。
「心で作る」「心が参加する」わたしも同感です!
相手のことを思って、素材や色の組み合わせを考え、たのしみながらつくる······まさに「心で作る」「心が参加する」なのです。この想いを忘れずに、これからもカード制作を続けていきたいと思っています。
さて、次回のコラムは、初秋にお届けする予定です。どうぞおたのしみに。
[第10回・2025年早春 ブリコラージュ 記]

<プロフィール>
BricoLage(ブリコラージュ)
大阪生まれ。神戸在住。
15年間、ライフスタイルショップに勤務。
10年ほど前、からだの不調をきっかけに、アロマテラピーやメディカルハーブ、バッチフラワーエッセンスを学び、日々のくらしに取り入れている。
2016年より、BricoLageとして活動(アロマハンドトリートメントやポストカード・クリスマスカード制作)。
BricoLageの名前の由来は、フランスの人類学者クロード・レヴィ=ストロースが著書「野生の思考」で提示した、Bricolage(ブリコラージュ)=「ありあわせの道具・材料を用いて自分の手でモノをつくる」から。
